皆さん真剣です!

 今日は幼児サークルが行なわれている幼稚園で授業がありました。そして、子供達が勉強している間、幼児サークルの父兄の方と合同で話し合いを行ないました。

 みどりの丘補習校があるのに、一方で「かざぐるま」があることに対して不安を持っていらっしゃる方もいるようです。これに関して「かざぐるま」側から説明がありました。


 以下に書くことは「かざぐるま」保護者の1人であるWの個人的な意見です。
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 一言で「2重国籍のお子さんがいる家庭」と言っても本当にいろいろあり、それぞれ抱えている問題も違います。現在「かざぐるま」にいるのはたったの4家族ですが、それでも各家庭の事情には大きな違いがあります。私がそれを強く実感したのは、補習校への入学について4家族で初めて話し合いをもった時でした。
 その時、4家族はそれぞれ全く別の理由で「補習校」に対する不安を持っていました。そしてその時点では(不安が大きく)4家族が揃って入学できない可能性もありました。そして長い話し合いの結果(今も毎週集まって話し合いは継続していますが)私達は考え方を変えることにしたのです。それは以下の2点でした。

(1)それぞれ別の事情がある4家族が一緒にやっていける目標をたてる。
(2)目標達成を1番の目的とし、方法を目標と混同しない。


 まず(1)についてですが以下の2つが重要だと考えました。

①「日本語の授業を通じて、人格の完成を目差す」
②「2重国籍を持つ子供の日本語教育について考え、実施する。」


 ヒトは言語を使ってコミュニケーションをする動物です。そして基本的に「ヒト」は生き延びるために、どのようにコミュニケーションをすればよいかも知っているはずです。(そうでなければ既に絶滅しているでしょう。)しかし、社会はどんどん大きく、そして複雑になっています。このような社会の中ではヒトも「自分とは違う人たちと一緒にやっていける」ことを学んでいく必要があります。特に2重国籍の子供達はハンガリーの人とも、日本の人とも、そして同じ2重国籍をもった人とも一緒にやっていけることを経験していく必要があるでしょう。この「多くの人と一緒にやっていける」ことを人格とし、その完成を目差すために「4家族の子供達が一緒にいられるような場、一緒にやっていけると思える場、更には他の子供達や大人達とも一緒にやっていけることを経験する場」を追求していくことにしました。た。これが①になります。

 また、私達保護者は、それぞれ事情の違う(2重国籍を持つ)子供達が一緒にやっていけるために、どのような場を保障すればよいのか、それを考えて、そして、とにかく思いついたことをやってみることを目標にしました。(そのことで、私達自身も多くの人たちと一緒にやっていけることを学ぶことができます。これが②になります。)

 ですから、私たちは少なくともこの1年は、何があっても、それをみんなの問題として話し合い、1人も欠けることない場をつくっていこうと思ったわけです。

 そして(2)についてですが、「補習校」は(1)の目標を達成するための手段の1つと考えることにしました。それで入学するなら全員、入学しないなら別の場所で全員一緒でと決めました。上にも書いた通り、私達4家族はそれぞれ別の事情で「補習校」入学を躊躇していましたが、(1)を考えた後、補習校に通いながらでもそれは達成できるのではと考えました。ただ、補習校側との話し合いの結果、特に②の部分で私達が独自に動くことで補習校に迷惑がかかることを心配して、今年1年は「かざぐるま」サークルを立ち上げることにしたのです。

 お互いを理解するためには、素晴らしい一言が必要なのではなく、楽しい、でも大量のやりとりが必要です。それで、この1年、私達4家族はとにかくたくさん話し合いをしていこうと考えています。そして、そこで得られた経験を皆さんともシェアしていければと考えています。(幼児サークルの場所をお借りしているのも、これが理由の1つです。先週書いた通り、私達は自分達4家族のためだけに「かざぐるま」をつくったわけではありません。)